711赤い電車について

どんな電車?
1967年(昭和42年)に設計・開発された日本初の量産近郊型交流電車であり、徹底した耐寒耐雪機能を考慮した初の北海道向け電車です。長年に渡り大勢の人々を乗せ続け、2015年(平成27年)3月13日に老朽化のため全車廃止となりました。鉄道ファンにとっても大変貴重な電車であると共に、「この電車で通学していた」「この電車で仕事に通っていた」など、多くの人々に思い出と共に親しまれた電車で、その引退には特別な想いを抱いていた人も多いのではないでしょうか。 (詳細解説は準備中です。)
経過
47年間の長きに渡り親しまれた貴重な電車を、何とか解体から守ることができないか。
北海道鉄道観光資源研究会が車輌の購入・保全に名乗りを上げました。
最大の懸念事項である、設置場所の提供および保存・移設に関わる整備等一切の費用は、岩見沢市栗沢町上幌に新しくできるファームレストラン大地のテラスを経営する株式会社道下産地(代表取締役社長 道下智義)の全面的な応援を得られることに。
それにより過去「鉄道の街」として発展した岩見沢で余生を送ることが決まったのです。

そして購入・移設・設置場所整備に関わる資金を調達するため全国からインターネットを経由して協力を仰ぐことができるクラウドファウンディングに挑戦することとなりました。

目標金額は2,340,000円。

この赤い電車の価値に賛同していただいた方の協力が集まり、あっという間に当初目標金額を達成。結果、4月15日の最終期日までに4,129,000円という膨大な資金協力が集まったのです。そして同年8月4日、無事に現在の場所が安住の地となりました。


READYFOR「47年間愛されて引退した北海道初の電車「赤電」を残したい!」
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その後、株式会社道下産地と北海道鉄道観光資源研究会のメンバーの力で保全・管理活動が進められてきましたが、この度、2016年(平成28年)10月14日、鉄道ファンのみならず、多くの愛着ある人々と共に保全活動並びに有効活用ができるように地元岩見沢を中心とした「岩見沢赤電保存会」が設立されました。
保全計画
711赤い電車、今後の保全計画として、賛同していただいた会員の皆様、及び寄付をしていただけた皆様と力を合わせ、下記の通り適宜保全活動を行っていく予定です。
《中長期計画》
これまで長年にわたり直射日光や風雨にさらされてきた車両のため、特に塗装部分の劣化が激しい状況になっています。現在の“田園の中に映える赤電車”の景観を重視すると今後も屋根等をかけず、まるで実際に走行しているかの様なリアリティを重視したいと考えているため、どうしても紫外線等による塗装の劣化が激しく、大規模塗装修繕や各種劣化に対する対処作業を定期的に行い、適切な保全に努めることが必要になります。よって本中長期計画においては、大規模な車両保全活動及び、より多くの皆様に愛される車両でありつづけられる様、展示環境の整備などをすすめていきたいと考えています。

《短期計画》 適宜車内清掃や軽微な環境管理、既存塗装の剥離や突発のアクシデント等々、急を要する保全や、更なる痛みを進行させない為の予防的作業等を行っていきます。(一時的に継ぎ接ぎ塗装等になってしまう様な状況です) 
活用の仕方について
この電車の特徴は、前述の通り鉄道遺産としても非常に価値の高い車両であることは勿論ですが、さらにもう一つの側面として、鉄道ファンでなくとも「この電車で通学していた」「この電車で通勤していた」など、とても多くの人々が愛着を持っている希有な電車です。よって、一人でも多くの方々にとって、より身近に感じていただける様、下記のことに留意し活用してまいります。
  • 2輌の車両の内、711-203は極力オリジナルの形態を保存できるように努めます。
  • 711-103は全ての座席を取り外し、一つの広い空間としているため、各種イベントでの使用や展示スペースとしてお貸しすることが可能です(詳細はお問い合わせ下さい)。
  • より愛着を抱けたり、記念になることも考慮し、車内グッズ販売等も行う予定です(詳細検討中)。
  • 隣接するレストラン大地のテラスとの相乗効果を視野に、より良い景観づくり並びに連携イベント等を行っていきます。
  • 会員になっていただくと、イベントとしての清掃や保全活動等に参加できる機会を設ける予定です。共に楽しく関わっていきましょう。
  • 他、一人でも多くの方により深いファンになっていただける様な発信・活動を行ってまいります。